今回は、ネットからのご依頼でした。

セリーヌトートと、エルメスエールバッグなど計3点。

本当にありがとうございます。

写真では少しわかり辛いのですが、擦れなどによる傷が数か所でております。

でもキズも浅く、コテコテの外科的治療はせずに済みそうです。

本来、キズを隠すには顔料といって、素材の表面に着色する

補色剤を使用するのですが、それを使用すると、テカリや、

特有の揮発性の強いにおいがします。そして、塗った感が、、、わかる方にはわかる感じに仕上がります。

この塗る方が、簡単なんですが、革本来の風合いや、

ブランド品の場合、以降修理や保証を受けれなくなります。

全ての品物に著作権が存在し、加工や色をいれると著作権侵害となります。

美術館の絵画に塗り絵するイメージですね・・・

状態が比較的よいと、

洗浄と、補油、保湿で色が揚がり、キズが目立たなくなります。

よーーーく見ると、キズはありますが、艶がでているため、光の反射でキズが目立ちにくくなっています。

元々は生きた動物の皮膚です。

人間と同じタンパク質で形成されているため、人間が洗顔後に、ローションやクリームを顔に塗るのと同じです。

人間は生きているため、代謝や、自然にでる皮脂で肌を覆い、メンテナンスしていますが、

皮革製品は代謝しません。

なので、外から油分と水分をいれて状態を良くしてあげるのです。

ただ、塗りすぎは、革が重くなったり、カビやすくなるので注意が必要です。