コロナと雨とで気持ちが沈みがちな週末から週明けです。
皆さんは如何お過ごしでしょうか。
すこしでも気温があがりウイルスの活動に制限がかかればいいものの、暖冬からの反発で寒い
春。自然には逆らえないですね。
当店のお客さんには経営者の方がおおいのですが、皆様苦労されておられます。
コロナに負けないぞ!
こんな雨の日は、皮革製品の雨ジミについてです。
くっきりと輪郭のついたシミがでています。これは雨じゃなく、雨粒の上に置いてしまったか、
飲み物がこぼれてしまったのか?ですかね。
ブランドバッグにはヌメ革が多く使われています。
ヌメ革は、水分や油分を吸いやすく、吸収すると色濃く変化してきます。これが経年経過ですね。
革を育てるという、エイジングを楽しむというのは、この事です。
しかし、薄いピンク色のヌメ革が茶色や茶褐色になるとやはり古びた感じがでてしまいます。
その時に、また新しいバッグを買いたいと思うんですよね。
それがブランドの戦略です。
買い替えの前に我々クリーニング店でもきれいに時を戻すこともできます。
しかし、ここで注意。
よくあるお直し屋さんでは、このヌメ革のシミを隠すのに、べた塗をしてしみを覆い隠します。
こんな感じですね。左がわが上から塗り重ねた状態です。
均一になり一見きれいですが、革本来のシボやムラがなく、合皮と見分けつかなくなり、安っぽい感じがでます。
よくあるお直しはこの状態です。簡単にできます。
ただ、これをするとブランドの保証や、リサイクルショップでも
販売できません。すでに、ブランドの価値がないとみなされます。
右側の写真が風合いを極力損なわないように部分処理をした状態です。
ムラや薄くシミも残りますが、これが革の良さでもあります。
これでしたら、継続してブランドの保証も受けれます。
塗り重ねて均一にするか、ムラのこるけど革本来の良さが残るのが良いのか、
これは人それぞれの価値観です。
クリーニングをご依頼いただいた際は、ご相談の上処置させていただきます。